「天使の声」の天使たちが奏楽する楽器はハープです。この曲は、ハープの音楽を模しています。
ハープには、ダンパーペダルがありません。不用な残響は、手のひらや指で止めます。弾いた音をそのままにしておくと次の和音にかぶって濁る、というようなことになりますから。
「天使の声」は主要大楽節A+中間大楽節B+主要大楽節A+コーダの三部形式です。
もしこの曲で、ハープをイメージして演奏するなら、右ペダルを積極的に使うと良いですよ。
2小節目は、1小節目のエコーのように優しく演奏すると、天使たちの奏楽のように聞こえるかもしれません(Exs.21)。
t.9からの中間大楽節Bの2小節間も、ペダルの踏み換えに注意を払いクレッシェンドが自然に得られるようにしましょう。
ペダルの踏み替えは、作品の構造に直接影響を与えることもあります。演奏アプローチも変わるでしょう。よく考えてペダリングの最終計画をする時は、演奏も完成領域に近づいた証です。