エフ音楽教室

「ブルグミュラー25の練習曲」の表現 楽曲分析と演奏表現

 

12. コーダの回想
  「別れ」

「別れ」は、導入(Intro.)+主要大楽節 A + 中間大楽節 B + 主要大楽節 A+コーダの三部形式の曲です。
導入の音型fは、これ自体が動機です。その音型fに由来する動機mが主要大楽節Aの左手声部(t.5〜6)に現れます。t.5右手声部の丸囲みの音群も由来はfです(Esx.12-1参照)。
主要大楽節Aは終止部分が4小節延長して12小節になっています。

別れ

t.25から36まで主要大楽節Aが再現し、Aの終止と同時にコーダ(Coda)に入ります(Exs.12-2は再現したAの尾部とコーダ)。この曲のコーダは動機mが回想され、とても印象的です。
t.36の4拍目からの左手声部で回想される動機mを「さようなら、さようなら」と心で歌いながら演奏すると右手声部のエコーと相まって、別れの心情が表現出来ますよ。

別れを描いた作品では、ベートーヴェン作曲「ピアノ・ソナタ作品81a告別」が有名です。「告別」の冒頭に出てくる3つの音符に「Le-be wohl(さようなら)」とベートーヴェン自身が書き記していますね。ベートーヴェンにとっては特別な気持ちで自らが音符にテキスト(文字)をあしらったのでしょう。が、ロマン派の作曲家達は、言葉と音符を繋げて作曲のモチベーションにした作品をたくさん残しています。

「ブルグミュラー25の練習曲」の表現 にもどる

ページトップにもどる

▼INDEX

01. 素直な心

02. アラベスク

03. 牧歌

04. 子供の集会

05. 無邪気

06. 進歩

07. 清い流れ

08. 優美

09. 狩り

10. やさしい花

11. せきれい

12. 別れ

13. なぐさめ

14. スティリアの女

15. バラード

16. 小さな嘆き

17. おしゃべり

18. 心配

19. アベ・マリア

20. タランテラ

21. 天使の声

22. 舟歌

23. 帰途

24. つばめ

25. 貴婦人の乗馬