チャイコフスキー「こどものためのアルバム作品39」の表現 楽曲分析と演奏表現

24. 「教会にて」In Church

終曲は、曲集全体のコーダの役割も担っています。

 第24曲「教会にて」の楽節構成

一部形式

A t.1〜32 (賛美歌12小節と反復)

コーダ t.33〜52

Exs.24は「教会にて」の全曲を反復部分を記号で表し掲載しました。最初の12小節がこの曲の本体部分で賛美歌です。フレーズの所々にある2分音符で終止する小節は、フェルマータのついた所、と思えば分かりやすいでしょう。中には、小節数が奇数のフレーズもありますね。前楽節、後楽節という感覚でなく、丁寧に各段落を閉じて次に進む、というような歌い方で12小節をまとめて下さい。勿論、すでに述べた通り、フェルマータは長さが「増える」のではないですよ。この曲の場合、段落終わりの2分音符は、そこまでのフレーズを内省して閉じる、という意味です。

t.33から主音保続の上に、高所からパイプオルガンの響きが聞こえてきます。神様に近いところにある、ということでしょうか。教会の残響を考えたら、ピアノのペダルの踏み替えは各小節ごとでなくてもよいかもしれません。

教会にて

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▼INDEX

1. Morning Prayer
朝の祈り

2. Winter Morning
冬の朝

3. Playing Hobby-Horses
木馬に乗って

4. Mama
ママ

5. March of the Wooden Soldiers
おもちゃの兵隊

6. The Sick Doll
病気のお人形

7. The Doll's Funeral
人形のお葬式

8. Waltz
ワルツ

9. The New Doll
新しいお人形

10. Mazurka
マズルカ

11. Russian Song
ロシアの歌

12. The Accordion Player
お百姓の歌

13. Kamarinskaya
ロシアの踊り

14. Polka
ポルカ

15. Italian Song
イタリアの歌

16. Old French Song
フランスの古い歌

17. German Song
ドイツの歌

18. Neapolitan Song
ナポリの歌

19. Nanny's Story
おとぎ話

20. The Sorcerer
魔女

21. Sweet Dreams
甘い夢

22. Lark Song
ひばりの歌

23. The Organ-Grinder Sings
辻音楽師

24. In Church
教会にて