チャイコフスキー作曲「こどものためのアルバム作品39」は、テーマパークのような音楽作品です。様々なスタイルの特徴を端的に音楽化して綴っています。音楽構造が分かりやすいので、楽曲分析の学習にも最適なアルバムです。
本項、チャイコフスキー作曲「こどものためのアルバム作品39」の表現楽曲分析と演奏表現——では、和声と楽節を中心に楽曲分析を行います。幾つかの難しい専門用語(テクニカル・ターム)については「まとメモ」という簡易にまとめたメモで折々にご説明します。
本アルバムに取り組む対象は主に、導入期を過ぎた頃のこどもが考えられますが、この項目は、練習中のお子様を支える保護者の方、指導される方等の参考に、又は、大人の方でピアノをより楽しんで演奏しようと考えている方、さらには、演奏に生かせる楽曲分析の方法を学習したいと望まれている方などを念頭にしています。
分析する楽譜は、全音版を使っています。版によっては曲名、曲の並び順が違っています。スラー等、楽譜の浄書の仕方も時代によって異なります。テキスト(楽譜)の真偽や出版経緯、曲名の意味等に関しては、他の資料に譲り、楽譜の情報に基づいて分析と演奏表現を結ぶ道を求めていきます。
なお、小節番号は t.xxで示し、アウフタクトは小節数にカウントしません。記号による繰り返しは小節数に算入しません。
説明文の中で使用した楽譜(譜例)は、分析のために起こしたもので多くの記号等は省略しています。
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